盗聴器の周波数とは？盗聴に使われる電波の種類と発見方法を解説

盗聴器と周波数の関係とは？

盗聴器は音声を外部に送信する際に電波を使うため、「周波数」の知識が発見や対策のカギになります。まずは、盗聴器の基本的な仕組みや、どのような周波数が使われているのかをわかりやすく解説します。

盗聴器の仕組みと電波の利用について

盗聴器は、周囲の音声をマイクで拾い、それを電波に変換して発信する仕組みを持っています。受信側はあらかじめ設定された周波数に合わせて電波を受け取り、音声として再生することで盗聴が成立します。多くの盗聴器はFM方式やアナログ電波を使用しており、簡易な受信機でも音声を傍受できるのが特徴です。

最近ではデジタル方式を用いたものも登場しており、暗号化や特殊な周波数帯を利用して発見されにくくなってきています。盗聴器を見つけるには、このような電波の仕組みを理解したうえで、適切な周波数帯をチェックすることが重要です。

周波数を使った盗聴の特徴

盗聴器が発信する電波には、一定の周波数帯が使われています。中でも多いのが「盗聴3波（322MHz・398MHz・399MHz）」や「盗聴6波」と呼ばれる特定の帯域です。これらは市販の簡易受信機でも拾いやすいため、悪用されやすい傾向にあります。盗聴器によっては、受信機とセットで販売されるケースもあり、周波数は固定されていることがほとんどです。

また、広域に届くよう出力を強めたタイプや、逆に低出力で検出されにくいタイプも存在します。盗聴に使用される周波数の知識があれば、発見器やスキャナーを使った調査がより効果的になります。

盗聴に使われる主な周波数帯域

盗聴器の多くは、音声を外部に送信するために特定の電波を利用します。その中でもよく使われるのが「盗聴3波」や「盗聴6波」といった周波数帯です。この項目では、それぞれの帯域の特徴と注意点を紹介します。

盗聴3波とは？

盗聴3波とは、322.325MHz・399.455MHz・407.850MHzという3つの周波数帯を指し、主にアナログ式の盗聴器で使用される電波です。これらは市販の簡易型盗聴器に採用されていることが多く、比較的安価かつ入手しやすいため、不正利用されやすい傾向があります。固定された周波数で発信されるため、周波数スキャナーを使えば比較的発見しやすいのが特徴です。ただし、住宅密集地などでは他の無線機器の電波と干渉しやすく、誤検知を招くこともあります。そのため、発見作業を行う際には使用環境を整えるとともに、機器の精度にも注意する必要があります。基本的な盗聴対策の第一歩として、押さえておきたい周波数帯です。

盗聴6波とは？

盗聴6波とは、免許を必要としない特定小電力無線機が使用する6つの周波数帯を指し、主に322MHz・340MHz・380MHz台などが含まれます。これらの帯域は業務用無線や一般の通信機器にも利用されており、盗聴器が発信していても不審な電波として判別しづらいのが特徴です。そのため、違法かどうかの判断が難しく、発見にも時間がかかるケースがあります。さらに近年では、複数の周波数を自動で切り替えて送信する「周波数ホッピング式」の盗聴器も登場しており、発見の難易度が一層高くなっています。盗聴6波に対応した検出機器を活用するなど、対策には専門的な知識と準備が求められます。

デジタル盗聴器が使用する周波数

近年の盗聴器はアナログ方式だけでなく、デジタル方式を採用した高機能なタイプも増えています。デジタル盗聴器は、Wi-FiやBluetooth、さらには携帯通信網（4G・5G）などの周波数を利用して音声を送信することが可能です。これらは一般的な電波と同じ帯域を使うため、専用の機器がなければ検出が困難です。

さらに暗号化機能を持つものもあり、発見や傍受をより難しくしています。日常的に使われる通信と混在することで、盗聴の痕跡が目立ちにくくなっている点にも注意しましょう。

盗聴器を発見する方法（周波数を使ったチェック）

盗聴器は外部へ電波を発信して情報を漏らすため、周波数を手がかりに発見できることがあります。身近なツールや専用機器を使って、怪しい電波を見つける方法を知っておくことで、不安を解消する第一歩になります。

そこでこの項目では、盗聴器を発見する方法をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

一般的な盗聴器の検出方法

盗聴器の存在を疑った際は、まず不審な電波が発信されていないか確認することが基本です。盗聴器は音声を外部に送信するため、何らかの電波を発していることが多く、これを手がかりに特定します。対策としては、電波を感知する専用機器やスマートフォン用アプリの活用が有効です。特定の周波数帯に強く反応する機器を使うと、盗聴3波・6波といった一般的な帯域での検出精度が上がります。

また、電源が取りやすい場所や、人目に付きにくい家具の裏、照明設備なども重点的に調べましょう。使用する検出器の感度を調整しつつ、不要な電子機器の電源は切っておくと、誤反応を避ける助けになります。

調査は1回で終わらせず、時間帯を変えて複数回行うことで、精度の高い確認が期待できます。

周波数スキャナーを活用する方法

より本格的に調べたい場合は、周波数スキャナーを使った調査が有効です。スキャナーは一定の周波数帯を連続して走査し、盗聴器が発信する微弱な電波を拾い上げます。322MHz〜400MHzの間を重点的にスキャンすると、盗聴3波・6波に該当する信号を検出できる可能性があります。使用時は静かな環境で、他の電子機器の電源を一時的に切っておくと、誤検出を防ぎやすくなります。スキャナーにはリアルタイムで音声を確認できるモデルもあり、実際の音を確認しながら調査を進められるのもメリットといえるでしょう。

盗聴器が発見されにくいケースと対策

盗聴器は「見つけにくいもの」というイメージの通り、素人目には非常に見つけにくいものです。最近は見た目が日用品と変わらない偽装型や、通常の電波では感知できない高性能なタイプも登場しており、気づかないまま情報を盗まれているケースも少なくありません。「アプリで調べたけど異常なし」と安心するのはまだ早いかもしれません。

この項目では、発見が難しい盗聴器の特徴や、一般的な対策では見抜けない理由、そして専門的な対応が必要な場面までを、わかりやすく解説します。盗聴のリスクを少しでも減らすために、知っておきたい基礎知識を押さえていきましょう。

高度なデジタル盗聴器の特徴

高度なデジタル盗聴器は、アナログ式とは異なり、Wi-FiやBluetooth、4G・5Gといった通信網を利用して情報を外部へ送信します。これらの周波数帯は日常的に使われているため、電波が混在しやすく、発見が非常に困難です。

また、一定時間ごとにオン・オフを切り替えるタイマー式や、音声が感知されたときのみ作動する「音声起動型」なども存在し、スキャン中に発信していなければ見つけることができません。さらに、スマートフォン型やUSB充電器型、電球やコンセント型など、見た目が日用品と変わらない偽装型もあり、目視での発見も困難です。

こうした高度な盗聴器は、安価な発見機では反応しないケースもあるため、十分な知識と設備が求められます。

発見が困難な盗聴器への対応策

発見しにくい盗聴器に対応するためには、まず周囲の環境を整え、不要な電波を遮断したうえで精度の高い機器を使うことが効果的です。具体的には、Wi-FiルーターやBluetooth機器を一時的にオフにしてから、高性能な盗聴器発見機や周波数スキャナーを用いて調査します。また、電源がオフでも内部に録音できる「ボイスレコーダー型盗聴器」などは、電波に頼らないため発見が難しく、物理的な点検も必要です。異常を感じた際には、電源タップや照明器具、置時計など、よく設置されるポイントを重点的に調べることが重要です。万が一の見落としを防ぐためにも、異変を感じた時点で調査を複数回に分けて行うことが、より確実な対策につながります。

盗聴器発見専門業者による調査が必要なケース

市販の発見機やアプリで調べても何も見つからない、けれど「誰かに聞かれている気がする」「情報が外に漏れている」などの違和感が続く場合は、専門業者への依頼を検討するべきです。専門の調査業者は、高性能な測定器と経験をもとに、目視だけではわからない偽装型やデジタル盗聴器も正確に検出します。

調査は自宅やオフィス、車内など場所を問わず対応してくれることが多く、報告書の提出や再発防止のアドバイスまで行ってくれる業者もあります。費用はかかりますが、個人情報や業務上の機密を守るためには十分に価値があります。

特にストーカー被害や社内の情報漏えいが疑われるような深刻なケースでは、早めに専門家に相談することが最善の対策になります。

盗聴器と周波数についてのよくある質問

盗聴器の調査に関心を持つ方の中には、「盗聴3波・6波って何？」「一般人でも発見機は買えるの？」といった疑問を抱く方も多いようです。ここでは、よくある質問にわかりやすくお答えします。

盗聴3波・6波とは具体的に何ですか？

「盗聴3波」「盗聴6波」とは、盗聴器が電波を発信する際に使われる特定の周波数帯の通称です。盗聴3波とは、322.325MHz、399.455MHz、407.850MHzなどを指し、市販の簡易盗聴器に多く採用されています。

これらの周波数は、受信機側でも扱いやすく、安価な機器でも傍受しやすいため、悪用されやすい帯域とされています。一方、盗聴6波とは、より広い帯域（322〜400MHz前後）にわたる6つの周波数を指し、特定小電力無線機が利用する周波数と重なるため、違法性の判別が難しいのが特徴です。

最近では、この6波を自動で切り替える機能を持つ高性能な盗聴器も登場し、発見が難しくなっています。これらの帯域に注目することで、盗聴器の有無を探る手がかりになります。

盗聴器発見機は一般人でも購入できますか？

盗聴器発見機は、専門業者だけでなく一般の方でも購入できます。インターネット通販や防犯グッズ専門店で、用途に応じたモデルが多数販売されています。価格は安価なものだと数千円程度から、高性能なプロ仕様の機器になると数万円以上する場合もあります。

購入前には、検出可能な周波数帯や対応範囲、誤検知の少なさなどをよく確認し、目的に合った機種を選ぶことが大切です。

Wi-Fi経由の盗聴を防ぐ方法は？

Wi-Fi経由で盗聴や情報漏えいが行われるケースもあるため、ネットワーク環境の見直しは重要な対策です。まず、ルーターの管理画面にアクセスし、不審な端末が接続されていないかを確認しましょう。初期設定のまま使っている場合は、SSIDやパスワードを強固なものに変更することが推奨されます。

また、ファームウェアを定期的にアップデートすることで、セキュリティの脆弱性を防げます。家庭用カメラやスマート家電もWi-Fi経由で盗聴に悪用される可能性があるため、使用していない機能はオフにしておくのが安心です。パソコンやスマホの通信内容を守るには、VPNの導入も有効です。

まとめ

盗聴器は電波を利用して音声を外部に送信するため、「周波数」に注目することで発見の手がかりになります。とくに盗聴3波や6波など、使用頻度の高い帯域を知っておくことは重要です。最近ではWi-FiやBluetoothなどを使うデジタル型も増えており、発見が難しくなっています。周波数スキャナーなどのツールを活用し、必要に応じて専門業者に相談することで、盗聴リスクを抑えることが可能です。周波数に関する正しい知識を持ち、防犯意識を高めておきましょう。